【指標解説】ゆとらの用いるROEと自己資本比率の計算方法を解説!

ゆとらの財務らぼへようこそ!
今回は、ゆとらの財務らぼで用いているROEと自己資本比率の計算方法についてまとめていきます。「ROEって名前は知ってるけど詳しく知らないな」や「ここ(財務らぼ)で書かれている自己資本比率は何を表しているんだろう」と思われた人はぜひ本記事を読んでください。
本記事では、ROEと自己資本比率の計算方法やその算式を選んだ理由などを解説していきます。本記事を読むことで、ご自身で財務分析ができるようになったり、ゆとらの財務らぼをさらに理解することができるようになります。ROEや自己資本比率に対して今よりも深く理解したい人は最後まで読んでください。
ROEについて
まずは、ROE(Return On Equity)と呼ばれる「自己資本利益率」について解説していこうと思います。
ROEとは
ROEとは、株主からの出資などの自己資本を元手に各起業がどの程度利益(純利益)を創出することができたかを示す指標であり、経営の効率性と収益性を示す指標です。業種などにもよりますが、一般的には8%以上が一つの基準となっています。
ROEの算式
私は、ROEを計算するにあたり以下のような考えを基本方針としています。
ROE(%)=(親会社の当期純利益)÷(株主資本)×100%
そして、この考え方を元に会計基準ごとに日本基準とIFRS基準では、
- 日本基準
ROE(%)=(親会社株主に帰属する当期純利益)÷(株主資本)×100%
- IFRS基準
ROE(%)=(親会社の所有者に帰属する当期利益)÷(親会社の所有者に帰属する資本)×100%
となります。
なぜその式を選んだか
では、なぜこの式を選んだのかについて各要素ごとに解説します。前提として、当財務らぼでは、基本的には読者様目線、つまり投資家目線で見た際に各企業の財務などがどのように見えるかを元に考えています。
- 親会社の当期純利益
ROEの利用目的は、株主の出資をどれほど効率的に利用できているかを判断するためです。そのため株主に還元される利益のみを計上したいため「利益=親会社の当期純利益」と考えました。
- 株主資本
上記の通り、株主の出資を元に考えたいため「自己資本=株主資本または親会社の所有者に帰属する資本」と考えました。
自己資本比率について
続いて、自己資本比率について解説します。
自己資本比率とは
自己資本比率とは、総資本における自己資本の割合です。企業の安全性を示し、一部業種を除き30%以上を一つの基準として考えることが多いです。
自己資本比率の算式
私は、自己資本比率を計算するにあたり以下の考え方を基本方針にしています。
自己資本利益率(%)=(現在の純資産)÷(資産合計)×100%
そしてこの考え方を元に会計基準ごとに日本基準とIFRS基準では、
- 日本基準
自己資本比率(%)={(株主資本)+(その他の包括利益累計額)}÷(資産合計)×100%
- IFRS基準
自己資本比率(%)=(親会社の所有者に帰属する資本)÷(資産合計)×100%
となります。
なぜその式を選んだか
ではなぜその式を選んだかについて解説します。こちらもROEと同様に投資家の目線から見るとどのように見えるかを元に考えています。
その上で、自己資本比率における「自己資本」は現在の(親会社の)株主に限定したいと考えました。そのため将来の株主候補である「新株予約権」や「非支配株主」などは自己資本に含めませんでした。そして、株主資本に為替損益や有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額を加えることで現在の株主の持つ資本を表せると考えました。
まとめ
今回はROEと自己資本比率についてまとめてみました。どちらも財務分析をする上では必要不可欠とも言える重要な指標です。そのため明確な定義の元で皆様に理解していただき、当財務らぼでの財務分析をこれからもしていただけると幸いです。
まとめ
- ROE
ROE(%)=(親会社の当期純利益)÷(株主資本)×100%
企業の効率性や収益性を表す。8%以上一つの目安。
- 自己資本比率
自己資本利益率(%)=(現在の純資産)÷(資産合計)×100%
企業の安全性を表す。30%以上が一つの目安。
今回は、ROEと自己資本比率について書きましたが、ROEのデュポン分析や金融業の自己資本比率など派生した内容は触れませんでした。ですので、また別の記事で触れたいなと思いますので、良ければまた来ていただけると嬉しいです!それではまた次の分析でお会いしましょう!




