【国内随一の高利益率】信用リスクはどのくらい?全国保証の事業環境や信用リスクを深掘り!
ゆとらの投資らぼへようこそ!!
今回は全国保証の事業環境や金利リスク、信用リスクについて深掘りをしていこうと思います!全国保証のリスクの中でも最も大きなリスクが信用リスクですが「全国保証が信用リスクをどれほど抱えているのかわからなくて不安…」や「今後の金利上昇でどれだけ業績悪化するのか知りたい」と思う人も多くいると思います。実際、リスク総量を知らないで投資するのは危ないため知る必要はあります。
そこで今回は、全国保証が信用リスクをどれだけ抱えているかを純資産総額や営業利益などと比較をして分析をしていきます!この記事を読むことで信用リスクがどれだけ存在していて業績にどのような影響を及ぼすかや金利や不動産市場が近年どのような動向をしているかについて知ることができます。全国保証のリターンだけではなくリスクも知りたい人や長期的な全国保証の先行きを考えたい人はぜひ最後まで読んでください!
また、本記事は以下の記事を読むことでより深く理解することが出来るので良ければこの記事を一緒に読んでもらえるとうれしいです!!

市場動向・金利リスク
市場動向
人口は2008年をピークにして減少が続いています。今後も出生率の低下などを要因として2040年頃には1億1000万人となる見通しになっています。同様に世帯数も減少しており、2040年頃には5600万世帯となる見通しになっています。
人口・世帯数の減少は顧客(住宅ローンの借入人)の減少を引き起こす可能性があり、事業拡大にとって逆風となります。
民間住宅ローンの新規貸出金額は、2021年3月期の19兆円から2025年3月期には20.5兆円となっており拡大傾向になります。この拡大傾向の中で全国保証がシェアを拡大することができれば大きな成長を遂げることができます。
加えて、民間住宅ローンの貸出残高のシェアは年々増加しています。今後も拡大傾向を維持できれば業績拡大が期待できます。
〈民間住宅ローン貸出残高 2021年3月期~2025年3月期〉
民間貸出残高:182.9兆円→204.9兆円
全国保証シェア:8%→9.5%
新設住宅着工戸数はコロナウィルスにより減少し、2021年に回復後は今に至るまで右肩下がりの減少をしています。理由として考えられるのは、総人口・総世帯数の減少というマクロの需要減と資材高・建設コスト増によるミクロの需要減があると考えられます。
一方で、中古住宅のニーズは拡大傾向にあり、長期的には横ばい~拡大傾向になる見通しとなっています。
金利リスク
ここでは、全国保証の統合報告書2025から全国保証が金利リスクについてどのように考えているかを紹介します。
金利上昇による返済への影響(貸し倒れリスクの増加)は大きくないと考えています。理由として、変動金利型住宅ローンは5年ごとに返済額の見直しがありますが、返済額の上限を1.25倍にする特約条項が定められているケースが多く、金利上昇が即座に貸し倒れに繋がる可能性が低いと考えているようです。
また住宅市場の総需要に関しても、金利上昇による需要減はありつつも金融機関の営業拡大により大きな落ち込みは起きないと考えています。一方、金利上昇は債券ポートフォリオの運用利回りを向上させ営業外収益の増加に繋がります。
全国保証の金利リスクへの視点は正しさはあると考えられますが、あくまでも「経営」としての視点です。持続的な経営にとっての「影響は大きくない」と「投資家(株主)」にとっての「影響は大きくない」は異なり、金利上昇局面で株価にどのような影響があるかに関しては自身で再考する必要があると思われます。
財務らぼ
保証債務純資産倍率


保証債務純資産倍率
保証債務純資産倍率(倍)=保証債務残高÷純資産
保証債務純資産倍率は信用リスクを図る指標であり、大きくなるほど純資産に対する保証債務残高が多いことを示します。
保証債務残高はコロナ禍でも増加し続け、2025年3月期には約19兆5000億円に到達しています。一方で、保証債務純資産倍率は2023年3月期までは下落しています。これは純資産の増加率が保証債務残高の増加率を上回ったからです。しかし、2024年3月期からは上昇トレンドを形成している可能性があります。要因として考えられるのは、資材・資源高、不動産価格の高騰による1件当たりの単価の上昇が債務保証残高の増加に繋がったことです。加えて、金利上昇による純利益の増加の鈍化と株主還元強化による内部留保増加の鈍化によるものであると考えられます。
代位弁済率

(全国保証株式会社 統合報告書2025を引用)
代位弁済率
代位弁済率(%)=代位弁済金額÷期首保証債務残高
代位弁済率は信用リスクの中でも特に貸倒れリスクを評価する指標です。代位弁済が増えると引当金の取り崩しや特別損失を計上し、業績に多大な影響を与えます。そのため、代位弁済率は全国保証の安全性を分析する上で最もチェックするべき指標の一つと言えます。
代位弁済金額・率ともに2022年3月期に底打ちをしてから増加傾向にあります。今は0.08%前後ですが、今後の金利上昇局面で代位弁済率がどこまで上昇するかを定期的にウォッチする必要があると思います。
懸念債権比率


懸念債権比率
懸念債権=求償債権+延滞金額
懸念債権営業利益比率(%)=懸念債権÷営業利益
懸念債権純資産比率(%)=懸念債権÷純資産
ここでの「懸念債権」は求償債権(代位弁済後に全国保証が借主に対して請求できる債権)と延滞金額(代位弁済前だが支払いが滞っている金額)の合計です。懸念債権営業利益比率と懸念債権純資産比率はそれぞれ懸念債権の影響がP/LとB/Sにどのような大きさをしているかを示す指標です。それぞれ信用リスク、特に貸倒れリスクを表し大きくなるほどリスクが高いと考えられます。
懸念債権営業利益比率は、2023年3月期まで100%未満で営業利益の方が懸念債権よりも大きかったのに対して、2024年3月期からは100%を超えています。このことからも短期的には金利上昇が逆風になっていると言うことがわかります。しかし、それでも2025年3月期の懸念債権営業利益比率が120%であることから損益分岐点となるのは懸念債権の約8割が貸し倒れた場合であり、財務健全性は非常に高いと考えられます。
懸念債権純資産比率は、2021年3月期が最も高く、懸念債権営業利益比率と比較するとB/Sの健全性が5年間で大きく成長していることがわかります。懸念債権純資産比率と保証債務純資産倍率を比較すると(懸念債権純資産比率÷保証債務純資産倍率)懸念債権は保証債務残高の0.26%(2025年3月期)であり、保証債務の健全性も高いと考えられます。
全国保証の信用リスクの現状は
全国保証の事業における最も大きなリスクである信用リスクは存在感はあるものの、懸念債権が保証債務の0.2~0.3%に収まっている点や保証債務純資産倍率が右肩上がりでない点から保証債務の質と純資産の量の両面で成長しており健全性が高まっていると考えられます。また、懸念債権営業利益率も100=120%程度であることから短期的な業績影響があったとしても持続的な経営ができると考えられます。
しかし一方で、金利上昇に反応して信用リスクが上昇していることが上記の指標からわかっているため、今後の動向から金利上昇がどこまで信用リスクを上昇させるのかを調べる必要はあると考えられます。
- 財務データ
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表1:保証債務残高と保証債務純資産倍率 決算期 保証債務残高(百万円) 純資産(百万円) 保証債務純資産倍率(倍) 2021年3月期 14,650,100 165,860 88.33 2022年3月期 15,394,100 184,827 83.29 2023年3月期 16,156,000 205,619 78.57 2024年3月期 17,688,800 225,082 78.59 2025年3月期 19,459,100 238,378 81.63 保証債務純資産倍率 = 保証債務残高 ÷ 純資産(純資産が大きいほど倍率は下がり、信用リスクの相対的な小ささを示す)。出典:全国保証株式会社 IR情報(統合報告書2025・有価証券報告書)。
表2:代位弁済金額と代位弁済率 決算期 代位弁済金額(百万円) 代位弁済率(%) 2021年3月期 10,484 0.08 2022年3月期 9,396 0.07 2023年3月期 10,778 0.07 2024年3月期 12,256 0.08 2025年3月期 14,496 0.09 代位弁済率 = 代位弁済金額 ÷ 期首保証債務残高。代位弁済率は全国保証開示(統合報告書2025)の値。出典:全国保証株式会社 統合報告書2025。
表3:懸念債権と各比率 決算期 求償債権残高(百万円) 延滞金額(百万円) 懸念債権(百万円) 懸念債権営業利益比率(%) 懸念債権純資産比率(%) 2021年3月期 12,995 23,321 36,316 95.0 21.9 2022年3月期 13,097 20,629 33,726 85.4 18.2 2023年3月期 13,537 22,494 36,031 90.3 17.5 2024年3月期 14,960 29,033 43,993 112.5 19.5 2025年3月期 17,268 33,183 50,451 120.2 21.2
まとめ
今回は全国保証のリスクにフォーカスしてまとめてみました!
全国保証は利益率や還元などのプラスの面にフォーカスしがちですが、リスクの面でも安定感がある非常に良い銘柄だなと思いました!しかし、やはり金利リスクがあったり新設住宅市場が冴えない現状などからすべてが順風満帆ではないことは意識する必要があるなとも感じました!
- 民間住宅ローンの貸出残高は増加している
- 新設住宅着工戸数は右肩下がり、中古住宅市場は拡大傾向
- 金利上昇による貸し倒れ・需要減はあまり多くないと考えている
- 保証債務純資産倍率は2024年から上昇トレンドになった可能性がある
- 代位弁済金額・率ともに2022年3月期に底打ち
- 保証債務の質と純資産の量の両面で成長し、健全性高まっている
これからも様々な企業の分析を行っていきますので、よければ別の記事も読んでいただけるとうれしいです!!それではまた次の分析でお会いしましょう!!
注意
本記事で紹介している分析方法等は個人的な視点のもので、銘柄を推奨するものではございません。投資判断等は自己責任にてお願いいたします。また、本記事の分析は記事公開時の情報に基づいています。同日以降に発表された情報などは反映していませんので、あらかじめご了承ください。なお、最新の情報については各社が開示する一次情報(決算短信・有価証券報告書等)にてご確認いただくことを推奨いたします。
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